1920年代は喫煙する事もファッショナブルな行いの一つでした。 解放された女性達はタバコをシガレットケースに入れて持ち運び、公の場でシガレットホルダーを使って吸ったのです。
この作品は、ピンクとホワイトゴールドのコンビネーションラインでデザインされており、側面の黒い部分は漆で出来ていると思われます。ケースの内側には、おそらく50歳の誕生にこれを日記念として贈られたと推測されるCoefordの名と、送り主の友人11人の連名が刻まれています。
1920年代には、多くのジュエラー達がこの様なシガレットケースやバニティーケース(化粧用のコンパクト)を制作しており、日本や中国趣味、エジプト風デザイン(1922年のツッタッカーメンの墓発掘の影響)や幾何学的なデザインの作品を、重厚なゴールドを使って仕上げたものが多く見られます。
実際、高価な宝石を埋め込んだ物やエナメルを装飾したシガレットケースやバニティーケースは、この時代のジュエラーにとっては非常に重要なビジネスアイテムであったようです。
この作品自体は、難しい細工とか表現がされているわけではありませんが、アール・デコという時代や洗練されたデザインに惹かれてしまいますね。「センスのいい大人の世界」と言った感じでしょうか。
現代では考えられない凄い細工に惹かれる方や、王侯貴族の歴史を感じさせる作品に魅了される方がいる一方、アール・デコや、その後の時代のスタイルの華麗さに魅力を感じる人達も多くなってきています。
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