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エドワーディアン プラチナジュエリーの誕生と貴族社会の終焉

 1901年、ヴィクトリア女王が死去し1902年にエドワード7世が即位 しています。
それから第一次大戦が始まり、その後のおよそ1920年頃までをエドワーディアンと呼びます。
この時期にジュエリー界では一つの革新的な出来事が起こりました。プラチナジュエリーの登場です。それまで融点が高く非常に硬いためうまく扱うことが難しかったプラチナの加工が可能になり、銀に比べ宝石をとめる爪やフレームが小さく薄くデリケートに作ることが可能になりました。
そして、細かな細工のより洗練されたジュエリーが作られるようになっていきます。
これらはプラチナを薄く伸ばした台座に糸鋸で孔開して細かなレースのように仕上げられ、枠はミルグレイヴィングで縁取りされ石がより多くのファイアを生む効果 をもたらせました。
 また、カリブレカットされた色石がデザインの中にぴたりと納まるようにサイズ調整され精密にセッティングされています。
おのずとこれらの作品に比べると、ヴィクトリア時代に銀で作られた作品は無骨でオールドファッションに感じられ、人々は古い時代のジュエリーを取り壊しプラチナを使ったものに作り変えていくようになります。
エドワーディアンのジュエリーの特徴は、プラチナにダイヤモンド、パールを使った左右対称のデザインで大きな色石を使った作品は余りなく、全体の印象は白く端正で貴族的な雰囲気を感じさせるものです。
Garland Style(ガーランドスタイル)と呼ばれるバラや百合のブーケ、バスケット、花綱飾り、ボウノット(蝶結び)、月桂樹、壺、麦の穂とグリークキーパターン(卍)スクロール・パターン(渦巻き模様)などを使ったデザインがカルティエから生み出されましたが、これらはアール・ヌーボーの作家達が自然から直接インスピレーションを受けたのとは異なりルイ16世時代のデザインパターン集からインスピレーションを得たものでした。
そういった意味では、イギリス宮廷、フランス貴族やアメリカの大富豪達の過ぎ去った世紀をしのぶ様式を繰り返し求める上流階級の心を捉えるデザインであったといえます。
これらの作品は、ドックネックレス(幅が広く首にぴったりと沿うように作られたネックレス)、
ティアラ、ストマッカー(ドレスの胸元に装飾する大きなブローチ)、ソートワール(先端に房飾りの付いた長いネックレス)などに飾られ、豪華なドレスと共に洗練された女性を演出しました。
 フランスのカルティエ、ショーメ、ブシュロン、フーケ、欧州各国の王室御用達になったアメリカのティファニー、ロシアの天才ファベルジェなど大宝飾店が素晴らしいエドワーディアンスタイルの作品を生み出しましたが、多くの無名の作品でさえもプラチナ加工技術とその優美なデザインと卓越した作りは、歴史上それに比類するものはまったくないと言っていい程の素晴しいクオリティーの作品を残しています。

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